コラム

ランドセルコラム:ランドセル今昔

ナース鞄工株式会社 取締役営業部統括部長 曽根 宏明

背のうから派生したランドセル

幕末に徳川幕府が導入した西洋式軍隊制度で、兵隊が使用した背のうから派生したランドセル。学習院初等科で採用されるまでは風呂敷が一般的でした。教育の平等性を図るために、児童に同じ持ち物で通学させることを日的として開発されました。

明治・大正・昭和と時代背景の影響を受け、布・牛革・木の蔓・竹・アルミなど、いろんな素材で作られてきましたが、現在のような形になったのは、1955年前後と言われています。太平洋戦争敗戦後、不幸にも多くの人命が失われ、人口増加のもととなった団塊の世代の方々が入学されたのが、この時期に当たります。高度成長時代を迎えたころから全国に普及し始めました。

ランドセルは《日本の文化》とよく言われますが、これは日本人の国民性をよりよく反映しています。「和を以て貴しとなす」の諺の通り、同じものを使い「和」を大事にしていることが、ランドセルを小学生が使うことに表れています。

ランドセルの進化

現在のようにサイズ・デザイン・カラー・機能等が豊富になったのは平成に入ってからで、流通形態も百貨店・専門店・量販店・文具店・家具店・ホームセンター・ディスカウント・各組合・ネットなど多様化してきています。
このように、時代の変化に対応して進化してきたランドセル、近年の少子化に伴う販売数量の減少という逆風な部分はありますが、子供一人に対する教育費の増加もあり、高級品の人気度が高まっています。
いずれにしましても、極端な子供の増加が見込めない今後、如何に今後のランドセルを守っていくかということが、それにかかわる企業の努力にかかっています。素材開発・機能向上・デザインの変化などのテーマを改善改革することで、より一層の商品価値が生まれます。

また、日本人の国民性(和を大事にする)と海外の意識(個を大事にする)の違いが、使うものにも表れています。ただし、子供の意識の中に「ランドセル」が自慢の持ち物であるということと、教育現場での利便性が存在感を強めています。

今後のランドセル作りに邁進することをお誓いして、締めくくりといたします。

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